新入社員が馴染めないのは「説明不足」ではない?定着につながるオンボーディング3つの工夫
「せっかく入社してくれたのに、なかなか職場に馴染めていない」「研修や交流会をしているけれど、定着につながっているのだろうか」。
そんな悩みはありませんか。
オンボーディングイベントは、会社について説明するだけの場ではありません。人とつながり、会社らしさに触れ、「ここで働いていけそう」と感じるきっかけをつくる場でもあります。
この記事では、定着につながるオンボーディングイベントの考え方を、具体例とともにご紹介します。
目次
オンボーディングは「会社を説明する場」だけではない
新しい会社に入ったばかりの頃は、
「誰に話しかければいいのだろう」
「分からないことは誰に聞けばいいのだろう」
と不安を感じるものです。
入社直後は、仕事内容だけでなく、人間関係や会社の雰囲気など、分からないことが多くあります。
オンボーディングでは、会社の歴史や事業内容、社内制度、仕事の進め方などを説明することも大切です。
ただ、情報を知るだけで、新しい環境への不安がすべてなくなるわけではありません。
たとえば転校初日に、学校のルールや時間割を詳しく教えてもらっても、それだけで安心して通えるとは限りません。
休み時間に話せる友達ができたり、困ったときに頼れる先生が分かったりして、少しずつ「ここでやっていけそう」と感じられるようになります。
会社も同じです。
「気軽に質問できる先輩がいる」
「同期と悩みを話せる」
「上司がどんな人なのか分かった」
「会社が大切にしていることが少し見えてきた」
こうした小さな安心が積み重なることで、新しい環境は少しずつ自分の居場所になっていきます。
だからこそ、オンボーディングイベントでは、「何を説明するか」だけでなく、「どんな安心やつながりを持ち帰ってもらうか」まで考えることが大切です。
「何をするか」より「どうなってほしいか」から考える
オンボーディングイベントでは、
「同期同士の交流会をしよう」
「先輩社員との座談会を入れよう」
「グループワークをしよう」
と、内容から考え始めがちです。
もちろん、どれも有効な企画です。
ただ、その前に考えたいのが、「イベントが終わったとき、新入社員にどうなっていてほしいか」です。
たとえば、
参加前:「周りに知らない人ばかりで不安」
↓
参加後:「気軽に話せそうな人ができた」
↓
必要な体験:「少人数で先輩社員と話す」
と整理できます。
また、
参加前:「会社が何を大切にしているのか分からない」
↓
参加後:「この会社らしさが少し分かった」
↓
必要な体験:「先輩社員から実際の仕事やエピソードを聞く」
と考えられます。
このように、「今どんな状態か」→「どうなってほしいか」→「そのために何をするか」の順番で考えると、企画の目的がぶれにくくなります。
イベントのゴールは、「交流会を開催した」「グループワークを実施した」ではありません。
参加者の気持ちや人との関係に、どのような変化を生みたいのか。
まずは、そのゴールを決めることから始めましょう。
「ここで働いていけそう」をつくる3つの体験
オンボーディングイベントで意識したいのは、「人とのつながり」「会社への理解」「自分の未来」の3つです。
①「話せる人がいる」と思えるつながりをつくる
入社したばかりの頃は、ちょっとしたことでも「誰に聞けばいいのだろう」と迷います。
そんなとき、「この人なら聞けそう」と思える相手がいるだけで、安心感は大きく変わります。
そこで、同期だけでなく、上司や先輩、他部署の社員など、これから関わる人と自然に話せる機会をつくります。
たとえば、大人数の前で自己紹介をするだけでなく、4〜5人のグループに分かれて、
「最近ハマっていること」
「入社した頃に困ったこと」
などを話してもらう。
そこから生まれる何気ない会話が、翌日から声をかけるきっかけになります。
大切なのは、たくさんの人と話すことではありません。
「この人なら話しかけられそう」と思える相手を、一人でも増やすことです。
② 会社らしさを「説明」ではなく「体験」してもらう
「挑戦を大切にしています」
「社員同士のコミュニケーションを大切にしています」
と説明するだけでは、会社らしさは伝わりにくいものです。
たとえば「挑戦を大切にする会社」なら、成功談だけでなく、先輩社員に失敗や再挑戦の経験を話してもらう。
「部署を越えた協力を大切にする会社」なら、複数部署で取り組んだプロジェクトを紹介する。
実際のエピソードに触れることで、参加者は、「この会社では、本当にこういう働き方をしているんだ」と実感しやすくなります。
理念や価値観は、言葉として覚えてもらうだけではなく、人やエピソードを通して感じてもらうことが大切です。
③「ここで働く自分」をイメージできるようにする
入社直後は、「これから自分がどう成長していくのか分からない」ことも不安の一つです。
そこで頼りになるのが、自分より少し先を歩く先輩社員です。
たとえば入社2〜3年目の社員に、
「入社した頃は何に困った?」
「最初に任された仕事は?」
「今はどんな仕事をしている?」
と話してもらいます。
年次の近い先輩の話を聞くことで、参加者も「自分もこうなれるかもしれない」とイメージしやすくなります。
さらに、「半年後にできるようになっていたいこと」を考える時間をつくるのも一つの方法です。
会社の未来だけでなく、その中で働く自分の姿まで想像できるようにする。
それが、「ここで頑張ってみよう」という気持ちにつながります。
まずは「3つの質問」から始めてみよう
最初から大がかりな企画をつくる必要はありません。
まずは、次の3つに答えてみてください。
参加者は今、どんな不安を抱えている?
参加後、どんな気持ちになってほしい?
そのために、誰と・どんな体験をしてもらう?
たとえば、
今の気持ち:「相談できる人がいない」
↓
なってほしい気持ち:「困ったら声をかけられそう」
↓
そのための体験:「先輩社員と少人数で話せる時間をつくる」
と整理できます。
大切なのは、「何をやろう?」から考え始めないことです。
先に参加者の不安を知り、イベント後にどうなってほしいかを決める。そのあとで必要な体験を考えます。
「今の気持ち」→「なってほしい気持ち」→「そのための体験」
この順番で考えることで、「毎年やっているから同じ内容にする」のではなく、今の参加者に必要な企画をつくりやすくなります。
次のオンボーディングイベントを考えるときは、企画書を開く前に、この3つへの答えを一言ずつ書き出してみてください。
オンボーディングイベントを「会社に馴染むきっかけ」に
オンボーディングイベントを一度開催しただけで、社員の定着が決まるわけではありません。
毎日の仕事や上司との関係、職場の雰囲気など、働き続けたいと思えるかどうかには、さまざまな要素が関わります。
それでも、入社したばかりの時期に「この会社ならやっていけそう」と思えるきっかけをつくることはできます。
そのきっかけになるのが、
- 話せる人がいる
- 会社が大切にしていることが分かる
- 自分がここで働く姿をイメージできる
オンボーディングイベントを企画するときは、内容から考えるのではなく、「参加した人に、どんな気持ちで帰ってほしいか」から考えてみてください。
先輩社員とゆっくり話せる時間をつくる。部署を越えて相談できる人と出会う機会をつくる。会社らしさが伝わるエピソードを紹介する。
一つひとつは小さな工夫でも、参加者が持ち帰る気持ちは変えられます。
まずは、参加者に持ち帰ってほしい「気持ち」を一つ決めること。
それが、新しい仲間の「ここで働いていけそう」をつくる第一歩です。
オンボーディングイベントの企画にお悩みなら
イベントネットでは、目的の整理から企画・体験設計、会場・演出、当日の運営まで、オンボーディングイベントづくりを支援しています。
「参加者同士のつながりをつくりたい」
「会社らしさが伝わるイベントにしたい」
「何から企画すればよいか分からない」
そんな段階からでもご相談いただけます。
新しい仲間が「ここで働いていけそう」と思えるイベントを、一緒につくりませんか?