なぜイベントは「やりっぱなし」になる?次の成果につなげる3つの仕込み
「イベントは無事に終わった。でも、本当に成果につながったのだろうか。」
アンケートを集計し、報告書も提出したものの、その後の問い合わせや次の施策にはつながらなかった。そんな経験はないでしょうか。
成果につながるイベントには、終了後の動きまで企画段階から考えられているという共通点があります。
この記事では、イベントを“実施して終わり”にせず、参加者の反応を次の行動や改善につなげるためのポイントをご紹介します。
目次
イベントが“実施”で終わる3つの原因
イベントの準備には、多くの作業があります。
会場や登壇者の調整、集客、資料作成、当日の進行準備。目の前の業務に追われ、無事に本番を終えると、ひと安心するのは当然です。
しかし数週間後、「参加者はその後どう動いたのか」「問い合わせや商談につながったのか」と振り返ってみると、成果が見えないことがあります。
イベントが“実施”で終わってしまう背景には、主に3つの原因があります。
原因1|開催すること自体がゴールになっている
準備に集中するあまり、「イベントの後、参加者にどうなってほしいのか」は後回しになりがちです。
たとえば、サービス紹介セミナーの目的を「認知を広げる」とするだけでは、その後に何をすべきかが曖昧です。
資料を読んでもらうのか、個別相談へ進んでもらうのか、次回のセミナーへ参加してもらうのか。
大切なのは、その先で参加者にどのような行動を取ってほしいのかまで決めておくことです。
イベントは、開催することがゴールではありません。参加者に「次の一歩」を踏み出してもらうための場です。
原因2|成果を判断する基準が決まっていない
イベント後は、参加者数やアンケートの満足度を確認することが多いでしょう。
もちろん重要な数字ですが、それだけではイベント本来の目的を達成できたかは判断できません。
商品への理解を深めてもらうことが目的なら、「商品の特徴を理解できたか」「自社の課題と結び付けて考えられたか」を見る必要があります。
問い合わせを増やしたいなら、「詳しい資料を見たい」「相談したい」と思った人がどれくらいいたかも重要です。
「何人来たら成功か」だけでなく、「参加者にどのような変化が起きたら成功なのか」まで決めておきましょう。
原因3|終了後の担当者と期限が決まっていない
もう一つの原因は、「誰が・いつまでに・何をするのか」が決まっていないことです。
アンケートで個別相談を希望した人がいても、営業担当とイベント担当の役割が曖昧では、対応が遅れてしまいます。
そこで開催前に、
- アンケートは誰が確認するのか
- 資料はいつ送るのか
- 関心の高い参加者には誰が連絡するのか
- 振り返りはいつ行うのか
イベント後の動きを企画段階で設計しておくことが、“実施して終わり”を防ぐ第一歩です。
成果につながるイベントは「参加者に期待する行動」から逆算する
「サービスの認知を広げたい」「理解を深めたい」という目的だけでは、イベント後に何をすべきかまでは見えてきません。
そこで、目的を参加者に期待する具体的な変化や行動に置き換えて考えます。
■目的を「参加者の変化」に置き換える
たとえば、新しい業務支援サービスを紹介するセミナーなら、
自社にも同じ課題があると気づく
サービスがどう役立つのか理解する
詳しい資料を読みたいと思う
担当者へ相談したいと思う
といった変化が考えられます。
ここまで具体的にすると、当日伝えるべき内容や終了後のフォローも見えてきます。
「自社にも関係がある」と気づいてほしいなら、機能だけでなく、よくある課題や導入事例を紹介する。相談につなげたいなら、個別相談で何を相談できるのかまで伝えておく。
主催者が「何を伝えたいか」ではなく、参加者に「どう変わってほしいか」から考えることがポイントです。
■次の行動までを一つの流れとして考える
参加後の行動までを一つの流れとして考えてみましょう。
イベントに参加する
→ 自社の課題に気づく
→ 興味のあるテーマを見つける
→ 関連資料を読む
→ 個別相談や問い合わせをする
ただし、すべての参加者をすぐに商談へつなげる必要はありません。
情報収集の段階なら、関連資料を読んでもらう、次回のセミナーへ参加してもらうなど、関心に合わせた無理のない「次の一歩」を用意します。
■企画段階で整理すべき6つの項目
まずは、次の6項目を整理してみてください。
- イベントの目的:何のために開催するのか
- 参加者に期待する変化:参加後にどう変わってほしいのか
- 取ってほしい行動:資料閲覧、相談、問い合わせなど
- 判断に必要な情報:関心や理解度を何から確認するのか
- 終了後の対応:資料送付、個別連絡など
- 担当者と期限:誰が、いつまでに対応するのか
それが決まれば、当日伝える内容、集める情報、終了後の対応まで自然につながります。
当日は「人数」だけでなく、参加者の反応を持ち帰る
申込者数や来場者数は重要な指標ですが、それだけでは、参加者が何に関心を持ち、その後何を求めているのかは分かりません。
イベントから持ち帰りたいのは、人数だけではなく、参加者が何に関心を示し、次に何を求めているのかという「反応」です。
■参加者の「小さな反応」を見逃さない
反応はアンケートだけでなく、当日のさまざまな場面から得られます。
- どの講演や展示に関心を示したか
- どのような質問をしたか
- スタッフにどのような課題を話したか
- どのテーマに関心があると答えたか
- 資料請求や個別相談を希望したか
こうした反応を残しておけば、全員に同じ案内を送るのではなく、関心に合ったフォローがしやすくなります。
■情報は、集める前に「どう使うか」を決める
アンケートは質問を増やすのではなく、「この回答が得られたら、次に何をするのか」を先に決めておくことが重要です。
たとえば、
- 個別相談希望者には営業担当が連絡する
- 特定テーマへの関心が高い人には関連資料を送る
- 分かりにくいという回答が多ければ次回の説明を見直す
■スタッフの気づきも残しておく
受付や展示説明を担当したスタッフが聞いた参加者の声も、貴重な情報です。
- 参加者が話していた課題
- 関心を示した商品やテーマ
- 次に案内したい情報
大切なのは、多くの情報を集めることではありません。次に何をするかを判断するための情報を持ち帰ることです。
イベント後に動ける「担当・期限・振り返り」を決めておく
イベント後は、片づけや精算、通常業務などに追われ、フォローが後回しになりがちです。
その間にも参加者の関心は薄れていくため、開催前に「誰が・いつまでに・何をするか」を決めておきます。
たとえば、
- 当日中に参加者情報とスタッフのメモを集約する
- 翌営業日までにお礼メールと関連資料を送る
- 2〜3営業日以内に相談希望者へ連絡する
- 1週間以内に関係者で振り返りを行う
「営業部が対応する」「後日振り返る」ではなく、担当者と期限まで具体的に決めておきましょう。
■振り返りを「感想会」で終わらせない
振り返りでは、「盛り上がった」「進行がスムーズだった」といった感想だけでなく、企画段階で決めた参加者の変化や行動と、実際の反応を照らし合わせます。
- 期待していた行動は起きたか
- どの内容への反応がよかったか
- 分かりにくかった内容はなかったか
- 必要な情報は集められたか
- 次回、何を続け、何を変えるか
結果だけでなく、「なぜその結果になったのか」まで考えることが、次回の改善につながります。
すべてを一度に変える必要はありません。アンケートの質問を一つ変える、フォローメールを早めるなど、小さな改善を積み重ねていきましょう。
イベントの成果は、終わった後ではなく、始める前に決まる
イベントを成果につなげるには、終了後に考えるのではなく、企画段階から「その後」を見据えておくことが大切です。
まずは次の3つを整理しましょう。
- 参加者に、イベント後どのような行動を取ってほしいのか
- そのために、当日どのような反応や情報を集めるのか
- 終了後、誰が・いつまでに・何をするのか
最初から完璧な仕組みをつくる必要はありません。
まずは次のイベントで、「参加者に取ってほしい行動を一つ決める」ことから始めてみてください。
イベントは、開催して終わりではありません。参加者との次の接点を生み出し、次回の企画をより良くしていくための出発点です。
イベントで得た反応を次の行動や改善へつなげる。その積み重ねが、イベントを“実施”から“成果につながる取り組み”へ変えていきます。